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補聴器の選び方ガイド|種類別特徴と選び方のポイントを徹底解説

  • 渡邉貴
  • 2024年10月4日
  • 読了時間: 13分

更新日:2024年10月30日




▶︎1. 補聴器の選び方の基本



1.1 補聴器とは何か

補聴器は、難聴の方がより聞こえやすくするための医療機器です。音を増幅し、脳に届くまでの過程をサポートする役割を果たします。難聴の種類や程度によって、適切な補聴器は異なるため、自分に合った補聴器を選ぶことが重要です。


補聴器にはさまざまな形状や機能があり、生活の質(QOL)を向上させるために重要な役割を担います。特に、コミュニケーション能力が改善されることで、日常生活においての不安やストレスが軽減され、仕事や趣味をより快適に楽しむことができます。


補聴器は、難聴者にとって音を取り戻し、社会生活を豊かにするための重要なツールです。


1.2 補聴器が必要な理由

補聴器が必要とされる主な理由は、聴覚の低下によって、日常生活や仕事でのコミュニケーションに支障が生じるためです。聴覚が低下すると、会話が聞き取りづらくなり、周囲の音も不明瞭になります。これにより、他者との意思疎通が困難になり、孤立感やストレスを感じやすくなります。


特に、高齢者の難聴は認知機能の低下とも関連しており、放置すると生活の質が大幅に低下するリスクがあります。そのため、聴力が低下していると感じたら早期に補聴器を検討することが推奨されます。


補聴器は、聞こえの問題を解決し、生活の質を向上させるための重要なツールです。


1.3 補聴器選びの重要性

補聴器選びは、単に音を聞こえやすくするためだけでなく、生活の質や健康に直結するため、非常に重要です。適切な補聴器を選ぶことで、コミュニケーションが円滑になり、社会生活に積極的に参加できるようになります。しかし、自分の聴力に合わない補聴器を選ぶと、逆に違和感やストレスを感じ、補聴器の使用を避けてしまうことがあります。


補聴器は一度購入すれば長期間使用することになるため、初期段階での選び方が大きな影響を及ぼします。聴力検査やフィッティングをしっかりと行い、専門家のアドバイスを受けながら選ぶことが重要です。



▶︎2. 補聴器の種類と選び方



2.1 耳かけ型補聴器

耳かけ型補聴器は、補聴器本体を耳の後ろに掛け、耳の中に音を伝えるチューブやスピーカーを装着して使用するタイプです。このタイプは、難聴の程度に関わらず幅広く使用されており、特に高度な難聴の方にも対応できます。また、耐久性があり、操作が比較的簡単なため、初心者にも適しています。


耳かけ型補聴器はサイズが大きいため、操作がしやすく、電池交換も容易です。また、最新の耳かけ型補聴器は、Bluetooth対応や騒音抑制機能など、さまざまな先進的な機能が搭載されています。音質を重視する方や、装着時の快適さを求める方に向いています。


2.2 耳あな型補聴器

耳あな型補聴器は、耳の中に直接装着するタイプの補聴器です。このタイプは、補聴器本体が小型で目立ちにくいことから、見た目を気にする方に人気があります。耳あな型補聴器は、個々の耳の形に合わせて作られるため、フィット感が良く、音漏れが少ないことが特徴です。


耳あな型補聴器は特に軽度から中等度の難聴に適していますが、その小ささゆえに操作が難しい場合もあるため、指先が不器用な方や高齢者には使いにくいこともあります。また、汗や湿気に弱いという点も考慮が必要です。補聴器を目立たせたくない方には最適な選択肢となります。


2.3 ポケット型補聴器

ポケット型補聴器は、補聴器本体をポケットや服の一部に装着し、イヤホンで音を聞くタイプの補聴器です。サイズが大きめで、持ち運びにやや不便な点があるものの、操作が非常に簡単で、電池の持ちも良いため、高齢者や操作に不慣れな方に適しています。


このタイプの補聴器は、音量調整がしやすい点が特徴で、手先が不自由な方でも扱いやすい設計です。ポケット型補聴器は、大きめのボタンやスイッチが付いているため、視覚や触覚で操作しやすいのがメリットです。 ただし、サイズが大きいため目立ちやすい点や、外部からの接触に弱い点がデメリットとして挙げられます。


2.4 それぞれのメリットとデメリット

補聴器には「耳かけ型」「耳あな型」「ポケット型」などの種類がありますが、どのタイプにもメリットとデメリットがあります。選ぶ際には、使用する環境や自分のライフスタイルに合ったものを慎重に検討することが大切です。


耳かけ型補聴器の主なメリットは、操作がしやすく、高度な難聴にも対応できることです。また、耐久性が高く、最新のテクノロジーを搭載したモデルも多くあります。しかし、その反面、外見上少し目立つことがデメリットとなります。


耳あな型補聴器は、見た目が目立たず、フィット感が良い点がメリットです。特に軽度から中等度の難聴者に適しています。ただし、操作が難しく、湿気や汗に弱いというデメリットがあります。


ポケット型補聴器は、操作が非常に簡単で、音量調整がしやすいことが最大のメリットです。視覚や触覚で操作できるため、高齢者や視力の弱い方に向いています。一方、サイズが大きく目立ちやすい点や、持ち運びに不便さがあることがデメリットです。


それぞれの特徴を把握し、自分のニーズに最適な補聴器を選ぶことが、快適な生活への第一歩です。



▶︎3. 補聴器を選ぶ際のポイント



3.1 聴力検査の重要性

補聴器を選ぶ前に、まず聴力検査を行うことが非常に重要です。聴力の低下には個人差があり、音が聞こえにくくなる原因も多岐にわたります。


そのため、自己判断で補聴器を購入するのではなく、耳鼻科の医師による診断を受けることで、正確な聴力状態を把握することが大切です。医師は、どの程度の難聴なのか、どの周波数帯の音が聞き取りにくいのかを判断し、それに合った補聴器を提案してくれます。


また、補聴器相談医という専門の医師に相談することで、より的確なアドバイスを受けることができ、補聴器選びの失敗を防ぐことができます。聴力検査によって、自分に最適な補聴器を見つけるための第一歩が始まります。


3.2 補聴器相談医の役割

補聴器を選ぶ際に頼りになるのが「補聴器相談医」です。補聴器相談医とは、補聴器の選定やフィッティングに関して専門的なトレーニングを受けた耳鼻咽喉科の医師で、難聴者が最適な補聴器を選べるようにサポートを行います。一般的な医師よりも補聴器についての知識が深いため、難聴の状態に応じた補聴器の提案や、適切な販売店の紹介もしてくれます。


さらに、補聴器相談医は購入後のフォローアップにも力を入れており、補聴器の使用状況をチェックしながら、適切なメンテナンスや調整を行ってくれます。補聴器を最大限に活用するためには、補聴器相談医のアドバイスを受けることが重要です。 特に、購入後のトラブルや不具合があった場合でも、相談医がサポート役として活躍します。


3.3 ライフスタイルに合った選び方

補聴器を選ぶ際には、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが非常に重要です。補聴器は個人の聴覚補助デバイスであり、使用環境によって求められる機能や特性が異なります。


例えば、日常的に外出が多く、会議や打ち合わせなどで大人数と話す機会が多い方には、雑音を抑える機能や方向性マイクが搭載された補聴器が適しています。一方、家で過ごす時間が長い方や、テレビや音楽を楽しむことがメインの方には、音質がクリアで自動音量調整機能がある補聴器が最適です。


また、屋外やスポーツをする方には、汗や水に強い補聴器が必要ですし、テクノロジーに慣れている方にはBluetooth対応でスマートフォンと連携できるモデルが便利です。これにより、電話や音楽を補聴器で直接聞くことができ、利便性が向上します。


ライフスタイルに合わせた補聴器を選ぶことで、日常生活がより快適になり、補聴器を長く使い続けるモチベーションにもつながります。


3.4 補聴器の試聴とフィッティング

補聴器を選ぶ際には、試聴とフィッティングが非常に重要なステップです。補聴器は、一人ひとりの聴力や生活環境に合わせて調整する必要があるため、実際に装着してみて、音の聞こえ方や使い心地を確認することが大切です。試聴を通じて、音質や雑音のフィルタリング機能などが自分に合っているかどうかを確かめましょう。


フィッティングとは、補聴器の細かい調整を行うプロセスのことです。聴力に合わせて音量や音域を調整し、快適に聞こえるように設定します。適切なフィッティングを行うことで、補聴器の効果を最大限に引き出すことができます。


 また、装着感も重要なポイントです。補聴器が耳にしっかりフィットしていないと、音が不自然に聞こえたり、長時間の使用が難しくなることがあります。

補聴器販売店では、試聴とフィッティングのサポートを行っているため、納得いくまで調整を行うことが大切です。



▶︎4. 補聴器の価格と機能


4.1 価格帯別の補聴器の違い

補聴器の価格は、安価なものから高価なものまで幅広く存在し、その違いは主に機能や技術の違いにあります。一般的に、価格が高い補聴器には、より高度な機能が搭載されており、音の調整や環境適応機能が細かく設定できるものが多いです。


例えば、騒音抑制機能や方向性マイク、Bluetooth接続機能などが挙げられます。これらの機能は、特に雑音の多い場所での会話や、スマートデバイスとの連携を必要とする場合に役立ちます。


一方、比較的安価な補聴器でも、基本的な音量調整や簡単なフィッティングは可能です。軽度から中等度の難聴に対応する補聴器が多く、シンプルな操作を好む方に向いています。価格が高いからといって必ずしも全員に最適というわけではないため、自分のニーズに合った機能を見極めることが大切です。


4.2 必要な機能の見極め方

補聴器を選ぶ際に、自分にとって必要な機能を正確に見極めることが重要です。高機能な補聴器には、騒音抑制や方向性マイク、Bluetooth接続機能、自動音量調整など、多くの便利な機能が搭載されています。


しかし、全ての機能が必ずしも必要というわけではありません。例えば、騒がしい環境でよく使用する場合には騒音抑制機能が役立ちますが、家庭内での使用が主であれば、その機能はそれほど重要ではないかもしれません。


また、Bluetooth接続機能は、スマートフォンやテレビと連携することができ、通話や音楽を補聴器で直接聞くことができるため、テクノロジーを駆使したい方に向いています。これに対して、操作がシンプルで、基本的な音量調整だけが必要な方には、こうした高度な機能は不要で、シンプルな補聴器が適しています。


補聴器を購入する際には、自分の生活環境や用途をよく考慮し、必要な機能だけに焦点を当てて選ぶことが、満足度の高い補聴器選びのポイントです。


4.3 高機能な補聴器のメリットと注意点

高機能な補聴器には、最新技術を駆使した多くのメリットがあります。例えば、騒音を抑えるノイズキャンセリング機能や、環境に応じて自動で音量を調整する機能、さらにはBluetooth接続を使ってスマートフォンと連携し、通話や音楽を補聴器で直接楽しめる機能などが代表的です。


これにより、特に外出先や人混みの中での会話がしやすくなり、生活の利便性が大幅に向上します。しかし、高機能な補聴器にはデメリットも存在します。価格が非常に高くなることが一つの大きな課題です。


また、これらの多機能な補聴器は、複雑な操作が必要な場合もあり、技術に不慣れな方にとっては使いこなすのが難しいことがあります。さらに、機能が多いとバッテリーの消耗が早くなり、頻繁に充電や電池交換が必要になる点も注意が必要です。


高機能な補聴器は、生活の質を劇的に向上させる一方で、価格や操作性、バッテリー持ちといった要素を考慮して慎重に選ぶ必要があります。



▶︎5. 補聴器を長く使うためのアドバイス


5.1 補聴器のメンテナンス

補聴器は精密な医療機器であるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。日常的に使っていると、耳垢や湿気、汗などが補聴器にたまり、故障や音質の劣化の原因となることがあります。特に耳あな型の補聴器は耳の中に直接装着するため、汚れが溜まりやすく、クリーニングが重要です。


自宅でできるメンテナンスとしては、柔らかい布で補聴器を拭いたり、耳垢フィルターを交換したりすることが推奨されます。また、乾燥剤や専用の乾燥機を使って、補聴器内部の湿気を除去することも有効です。定期的なメンテナンスを行うことで、補聴器の寿命を延ばし、最適な聞こえを維持することができます。


また、定期的に補聴器販売店や専門店に持ち込み、プロによるメンテナンスを受けることも重要です。音質の調整やフィッティングの再確認、内部の掃除など、専門家の手入れによって補聴器の機能が最大限発揮されます。


5.2 電池と充電について

補聴器の使用を快適に続けるためには、電池の管理が重要です。補聴器には通常、使い捨ての空気電池や充電式の電池が使用されます。それぞれの電池にはメリットとデメリットがあり、使用する補聴器やライフスタイルに合わせて選ぶことが求められます。


使い捨ての空気電池は、補聴器に専用の電池を挿入して使用するもので、種類によっては数日から1週間程度持続します。このタイプの電池は、突然切れることがあるため、常に予備を持ち歩くことが大切です。補聴器の電池寿命は、使用する機能の量や音量設定によって変わりますので、適切に管理しながら使うことが求められます。


一方で、近年人気が高まっている充電式補聴器は、日常的な充電が必要ですが、電池交換の手間が省けるというメリットがあります。特に、夜に充電器に置くだけで翌日使えるため、使い勝手が良いと感じる方が多いです。ただし、電池寿命が長くなる分、充電器やケーブルの持ち運びが必要となる点には注意が必要です。


電池の種類に応じた適切な管理を行うことで、補聴器のパフォーマンスを最適に保つことができます。


5.3 定期的なフィッティング調整

補聴器を長く快適に使用するためには、定期的なフィッティング調整が不可欠です。購入時のフィッティングでは、その時点の聴力に基づいて補聴器が調整されますが、時間が経つにつれて聴力が変化することがあります。また、補聴器の使用頻度や環境の変化により、調整が必要になる場合も少なくありません。


フィッティング調整は、補聴器販売店や専門のクリニックで行うことができ、音量や音質の微調整を行うことで、より自然で快適な聞こえを維持できます。


定期的な調整を行わないと、補聴器の効果が低下し、使用すること自体が不快になる可能性があります。特に、聴力が低下していることに気づかないまま放置すると、補聴器の効果を十分に引き出せなくなります。


また、フィッティング調整の際には、補聴器の掃除や電池の交換、部品のチェックも同時に行うことができるため、補聴器の寿命を延ばし、長期間快適に使用するために非常に重要です。



▶︎6. まとめ


6.1 自分に合った補聴器を選ぶために

補聴器を選ぶ際には、聴力検査を受け、自分の難聴の程度を正確に把握することが重要です。さらに、補聴器相談医のアドバイスを受けながら、自分のライフスタイルや必要な機能に合った補聴器を選ぶことが大切です。


補聴器には「耳かけ型」「耳あな型」「ポケット型」などさまざまなタイプがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。価格や機能、操作性を考慮して、自分に最適なものを見極めることが求められます。


購入後も、定期的なメンテナンスやフィッティング調整を行うことで、補聴器の効果を最大限に引き出し、長期間快適に使用できます。自分に合った補聴器を選び、正しく使い続けることが、生活の質を向上させるための第一歩です。



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