早期治療の重要性とは?突発性難聴の原因と対処法まとめ
- 渡邉貴
- 2025年5月23日
- 読了時間: 15分

▶︎1. 突発性難聴とは?早期治療の重要性

1.1 突発性難聴の概要と症状
突発性難聴とは、ある日突然片耳の聴力が低下または消失する病気です。30代〜50代に多くみられますが、年代を問わず発症する可能性があります。
はっきりとした原因が不明であることが多く、ウイルス感染や血流障害、ストレスなどが関係していると考えられています。
この病気の特徴は、前触れもなく急に耳が聞こえにくくなる点です。起きた時に「耳が詰まっているような感覚がする」「テレビの音が片方から聞こえない」といった違和感を覚えるケースが多いです。
主な症状
突発性難聴の代表的な症状には次のようなものがあります。
片耳の急激な難聴(両耳に起きることは稀)
耳鳴り(ジー、キーンという音が続く)
耳の詰まり感(耳閉感)
めまい・ふらつき(全体の約4割程度に発生)
特に、難聴と耳鳴りが同時に起こると強い不安を感じやすく、日常生活にも支障が出ます。例えば、人の声が聞き取りづらくなったり、周囲の音に対して敏感になったりすることがあります。
よくある誤解や見逃しやすいサイン
突発性難聴は、「寝不足のせいかな」「風邪気味だったからかな」といった軽視がされやすく、受診が遅れることがあります。しかし、ここでの遅れが聴力の回復に大きく影響してしまいます。
よくある失敗例としては次のようなケースがあります。
耳が聞こえづらいのに「様子を見よう」と何日も放置する
市販の耳鳴りサプリや薬で済ませようとする
忙しさを理由に病院に行かないまま1週間経ってしまう
こうした判断ミスを避けるためには、「音がこもって聞こえる」「いつもより静かに感じる」といった小さな異変を見逃さないことが大切です。
突発性難聴は時間との勝負。聴力の回復率は、治療を開始するまでのスピードに大きく左右されるため、「おかしい」と思ったらすぐに耳鼻科を受診する行動力が求められます。
1.2 早期治療が鍵となる理由
突発性難聴の治療において、最も重要なのが「早期対応」です。耳が聞こえづらくなってから1週間以内に治療を開始しないと、回復の見込みが大きく下がることがわかっています。
発症からの時間が回復率を左右する
突発性難聴の完治率はおおよそ3分の1程度とされていますが、これは発症後すぐに適切な治療を受けた場合の話です。
以下のようなデータが一般的な傾向として知られています。
発症から3日以内に治療開始した人:約50〜60%が改善
4〜7日以内に治療開始した人:約30〜40%が改善
8日以上経過後に治療開始した人:改善が難しいケースが多い
このように、わずか数日の違いが聴力回復に大きく影響するため、「様子を見る」時間すら惜しい病気と言えます。
なぜ早期治療が効果的なのか?
突発性難聴は、内耳(音を感じる器官)や聴神経に急な異常が起こることが原因と考えられています。その異常が進行してしまう前に治療を始めることで、機能が保たれている間に回復を促せるのです。
主に使われる治療法はステロイド薬で、炎症や腫れを抑えることで内耳の状態を整えます。これを発症から数日以内に投与することで、より高い効果が期待できます。
よくある判断ミスと回避策
突発性難聴の早期治療が難しくなる背景には、次のような誤解や生活習慣があります。
「風邪の延長かな」と思い込み、耳の違和感を軽視する
週末や連休で病院に行けず、様子を見てしまう
耳の症状が片側だけなので、それほど気にしない
こうした失敗を防ぐには、「聴力の異変=早急な受診が必要」という認識を持つことが大切です。たとえば、普段と違う耳の違和感を覚えたら、翌朝には耳鼻科に行くスケジュールを立てることを習慣にしておくと安心です。
忙しい日常の中でも、「早ければ治る確率が上がる」と意識するだけで、行動は変わります。突発性難聴は、“早期発見・早期治療”が命運を分ける病気です。
▶︎2. 突発性難聴の治療法とその効果

ステロイド療法の効果と注意点
突発性難聴の初期治療において、最も一般的かつ効果的とされているのがステロイド療法です。特に発症から3〜5日以内の投与が、聴力回復に大きな影響を与えるとされています。
ステロイド療法とは?
ステロイド薬には、内耳の炎症を抑える作用があります。突発性難聴は、内耳の微細な血流障害やウイルス感染などにより、炎症や浮腫が起こって音の伝達に支障をきたすと考えられています。
この炎症をステロイドで鎮めることで、内耳の機能回復を促すのが治療の狙いです。経口薬や点滴、場合によっては鼓室内注射(耳の中に直接投与)など、さまざまな投与方法が用いられます。
特に治療初期に集中して投与することで、内耳のダメージを最小限に抑えられる可能性が高くなります。
よくある副作用と対策
ステロイドは高い効果が期待できる反面、副作用にも注意が必要です。よく見られるのは以下のような症状です。
胃痛・胃もたれ
血糖値の上昇(糖尿病の悪化)
免疫力の低下
不眠や気分の変化
特に持病がある人は、医師としっかり相談した上で服用を開始することが大切です。また、自己判断で中断したり、服用量を変えるのは危険なので、指示された通りに服薬を続けましょう。
こんな失敗に注意
ステロイド療法でよくある失敗や注意点は次の通りです。
「副作用が怖い」と服用を避けてしまう
症状が少し改善したからといって、勝手に服用をやめる
医師に相談せずに他の薬と併用する
ステロイド薬は正しく使えば強い味方になりますが、使い方を誤ると逆効果になるリスクもあります。特に、「怖いから飲まない」よりも、「管理された形で正しく使う」ことが大事です。
日常で意識すべきポイント
治療中は、体調管理も非常に大切です。睡眠不足やストレスは治療効果を妨げることがあるため、規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
例えば、薬を飲んだあとは軽い食事を取って胃への負担を減らす、などの工夫が効果的です。
2.2 高気圧酸素療法の有効性
突発性難聴の治療法として、ステロイド療法と並んで注目されているのが高気圧酸素療法(HBOT)です。これは、内耳への酸素供給を増やすことで聴力の回復を促す方法です。
高気圧酸素療法とは?
高気圧酸素療法とは、専用の装置(高気圧酸素カプセル)に入って通常より高い気圧環境で高濃度の酸素を吸入する治療法です。
人の体は、血液によって酸素を運んでいますが、気圧を高めることで酸素が血液中により多く溶け込み、普段酸素が届きにくい内耳の組織にも効率よく行き渡るようになります。
この作用によって、ダメージを受けた内耳の細胞に酸素と栄養をしっかり届けることで、聴力の回復を助ける効果が期待できるというわけです。
ステロイドと併用するケースが多い
高気圧酸素療法は、単独で行われることもありますが、ステロイド療法と併用することで相乗効果が得られるとされています。
実際、多くの医療機関では以下のような治療スケジュールが採用されることがあります。
発症から3日以内:ステロイドと高気圧酸素を併用
1週間以内:聴力の回復の兆しがあれば治療継続
それ以降:効果の有無を慎重に見極めながら対応
治療回数は一般的に5〜10回ほどで、1回あたりの時間は60〜90分程度です。
よくある誤解や不安
初めてこの治療を受ける方の中には、次のような不安を感じることも少なくありません。
「酸素カプセルに閉じ込められるのが怖い」
「副作用はあるの?」
「費用が高そうで心配」
ですが、カプセルの中は座ったままくつろげるような空間になっており、リラックスして過ごせるよう配慮されています。副作用はほとんどなく、ごくまれに耳抜きがうまくできないことによる耳の違和感がある程度です。
費用については、医療機関によって異なりますが、突発性難聴の治療目的であれば保険適用となるケースが多いため、事前に確認しておくと安心です。
日常生活への影響とアドバイス
高気圧酸素療法は1回あたりの時間がやや長めですが、通院中も普段どおりの生活ができるため、無理なく継続できます。治療期間中は、飲酒や喫煙を控え、耳に負担をかけない生活を意識しましょう。
突発性難聴の回復率を少しでも上げたいなら、高気圧酸素療法の活用を視野に入れることをおすすめします。
2.3 鍼治療などの補完療法
突発性難聴の治療においては、ステロイドや高気圧酸素療法に加えて鍼治療などの補完的アプローチを取り入れることで、より幅広い回復の可能性が見えてきます。
鍼治療が注目される理由
鍼(はり)治療は、東洋医学のアプローチであり、全身の血流を改善し、自律神経のバランスを整えることで自然治癒力を高める効果があるとされています。
特に突発性難聴の場合、内耳の血流低下が一因とされているため、鍼での血流促進が聴力回復を助ける可能性があります。
鍼灸院では、耳の周囲や首、肩、背中などに施術を行い、ストレスや疲労による身体の緊張を和らげることで、間接的に耳の症状を改善へと導くのです。
補完療法としての位置づけ
鍼治療はあくまで補完的な方法であり、医療機関での診断と薬物治療が優先されるべきです。そのうえで、次のようなケースに適しているとされています。
ステロイド治療の副作用を軽減したい
高気圧酸素療法との併用で回復を早めたい
ストレスや自律神経の乱れを整えたい
いくつかの医療機関では、統合医療の一環として鍼灸を併用しており、治療実績がある施術者のもとで受けることが推奨されます。
注意すべきポイントと失敗例
補完療法を選ぶ際に気をつけたい点もあります。
医師に相談せずに鍼治療を始めてしまう
無資格者や経験の少ない施術者に施術を受ける
通う頻度が不定期で、効果が出にくくなる
これらの失敗を避けるには、まず耳鼻科での治療方針を確認したうえで、鍼治療を受けても良いか相談するのが基本です。また、施術者の資格や実績をしっかりチェックしておくと安心です。
生活との相性と継続のコツ
鍼治療は1回の施術に30〜60分ほどかかりますが、リラクゼーション効果もあり、継続することで体調全体が整いやすくなるというメリットもあります。
特に「疲れやすい」「睡眠の質が悪い」「慢性的な肩こりがある」といった症状がある方には、突発性難聴の治療中に相乗効果を感じることもあるでしょう。
薬や酸素療法に加えて、身体の内側から整える鍼治療を組み合わせることで、より前向きに治療に取り組める環境が整います。
▶︎3. 突発性難聴の予後と回復率

3.1 完治率と回復の可能性
突発性難聴は、早期治療が極めて重要である一方で、治療を受けたからといって必ず完治するとは限らないという厳しい側面もあります。ここでは一般的な回復率とその背景について見ていきましょう。
回復のパターンは3つに分かれる
突発性難聴の予後(治療後の経過)は、おおまかに以下の3つに分けられます。
完全に回復する(約3割)
一部回復する(約3割)
改善が見られない(約3割)
つまり、完治する確率は約30%にとどまり、残りの多くは何らかの後遺症を抱える可能性があるという現実があります。
この数字を見ると心配になるかもしれませんが、回復できるかどうかは、以下のような条件によって大きく左右されます。
回復率を左右する主な要因
突発性難聴の回復率を高めるために重要とされる要素は次のとおりです。
治療開始の時期(発症から何日経過しているか)
年齢や基礎疾患の有無(高齢・糖尿病などは不利)
症状の重さ(完全に聞こえない場合は回復が難しい)
めまいの有無(めまいがあると予後が悪いとされる)
特に「めまいを伴う突発性難聴」は、内耳全体に広範な障害がある可能性があり、治療に時間がかかる傾向があります。
よくある勘違いと注意点
患者側の思い込みでよくあるのが、「薬を飲めばすぐに治る」という期待です。しかし、突発性難聴は薬だけでなく、生活習慣の改善や継続的な通院が必要な病気です。
以下のような行動は、結果として回復を妨げることがあります。
症状が軽くなったと感じてすぐ治療をやめてしまう
医師の指示を無視して通院を自己判断で中断する
「治らない」とあきらめてしまい生活リズムが乱れる
突発性難聴は精神面の安定も回復に関わると言われており、焦らず根気強く治療を続けることが重要です。
ポジティブに取り組むために
完治が難しい可能性があるとはいえ、早期に対応し、適切な治療を受けた場合には十分に改善が見込める病気でもあります。
例えば、ステロイド治療+高気圧酸素療法を併用し、さらに生活習慣を整えることで、「ほぼ元どおりに聞こえるようになった」という例も少なくありません。
突発性難聴は確率に左右される面がありますが、早く、正しく対応することでその確率を自分で高めることができます。
3.2 治療開始時期と予後の関係
突発性難聴の回復において、最も重要な要因のひとつが「治療をいつ始めたか」というタイミングです。 このわずかな差が、完治に至るか否かを左右するといっても過言ではありません。
発症からの経過日数が決定的な差を生む
多くの専門機関では、突発性難聴の治療は「発症後1週間以内」がリミットとされています。 この時期を逃すと、内耳の損傷が進行し、治療効果が出にくくなってしまうのです。
一般的な回復率の傾向は以下の通りです。
発症後3日以内に治療を開始:回復率50〜60%
発症後4〜7日以内:回復率30〜40%
発症後8日以降:回復率10%未満
これらのデータからも明らかなように、できる限り早く受診し、治療を開始することが回復の第一歩になります。
なぜ時間が重要なのか?
突発性難聴では、内耳の有毛細胞や神経に何らかの急性障害が起きていると考えられています。 この障害が進行してしまうと、細胞自体が壊死してしまい、再生がきかなくなることがあります。
つまり、治療開始が遅れるということは、「治療しても反応しない耳の細胞が増える」ということです。 早ければ早いほど、まだ機能が残っている細胞に働きかけることができ、回復のチャンスが広がるのです。
治療が遅れる原因とその対策
患者の多くは、初期の違和感を「一時的なもの」と誤解し、病院に行かないことが多いです。 次のような行動が、治療開始を遅らせてしまいます。
「疲れのせいだろう」と様子を見てしまう
休日や出張などの予定を優先して受診を後回しにする
インターネットの情報を見て自己判断で市販薬を使う
こうしたケースを防ぐには、「耳の異常はすぐに病院へ」という意識づけが必要です。
特に、朝起きた瞬間の違和感や、日常生活で音が急に聞こえなくなったときには、その日中に耳鼻科を受診することが大切です。
再確認:早期対応が予後を左右する
治療時期が早いほど、使用できる治療法の選択肢も広がります。 ステロイドや高気圧酸素療法、補完療法などを適切に組み合わせることで、後遺症なく回復する可能性が高まるからです。
たった1日でも治療のスタートが遅れると、それだけで予後に差が出る病気。 突発性難聴は「時間との勝負」であることを常に意識しておくことが大事です。
▶︎4. 突発性難聴の予防と早期発見
4.1 発症リスクを高める要因
突発性難聴は突然発症しますが、発症しやすい身体や生活の状態には共通点があります。日頃の生活習慣が大きく影響していることも多いです。
発症リスクを上げる主な要因
過度なストレスや緊張状態が続いている
慢性的な睡眠不足や過労
生活リズムの乱れ(夜型生活など)
高血圧・糖尿病などの持病
大音量でのイヤホン使用や気圧変化(飛行機・登山など)
見落としがちな耳への負担
ヘッドホンの長時間使用
耳抜きの失敗による圧力変化
音の大きい場所での長時間滞在
耳への負担を減らす生活を心がけることが、予防につながります。
4.2 早期発見のためのポイント
突発性難聴は早期発見と早期治療が予後を大きく左右する病気です。違和感を感じたらすぐに行動することが、聴力回復のカギになります。
見逃しやすい初期症状
片耳だけ音がこもる、聞きづらい
耳鳴りが突然始まった
音の距離感や方向がわからない
耳が詰まったような閉塞感がある
「疲れているだけ」と思い込まず、変化に敏感になることが大切です。
早期発見のための行動ポイント
異変を感じたその日に耳鼻科を受診
めまいやふらつきがあればすぐに医療機関へ
自己判断せず、専門医の診察を受ける
「なんとなく変だな」と思ったら、すぐ受診する習慣が回復率を上げる近道です。
▶︎5. 突発性難聴の治療をサポートする施設の紹介
5.1 専門的な治療を提供する医療機関
突発性難聴の治療には、高度な医療設備や専門知識が必要になることがあります。特に高気圧酸素療法や鍼治療を希望する場合、対応できる施設を選ぶことが大切です。
専門機関で受けられる主な治療
ステロイドの点滴・鼓室内注射
高気圧酸素療法(酸素カプセルによる治療)
鍼治療(自律神経や血流を整える補完療法)
聴力検査やめまいの精密検査
専門施設を選ぶ際のチェックポイント
難聴や耳の専門医が在籍しているか
高気圧酸素装置などの設備が整っているか
補完療法(鍼灸など)にも理解があるか
耳の異変にはスピード対応が重要なので、事前に近隣の医療機関を調べておくと安心です。
5.2 治療施設の選び方と注意点
突発性難聴の治療は、どこで受けるかによって結果に差が出ることがあります。自分の症状や希望に合った医療機関を選ぶことが、回復への近道です。
医療機関選びで重視すべきポイント
耳鼻咽喉科の専門医がいるか
突発性難聴の治療実績があるか
高気圧酸素療法や補完療法に対応しているか
通いやすい場所にあるか(早期治療が重要)
よくある失敗と注意点
「近いから」という理由だけで決めてしまう
診療科目だけを見て、専門性を確認しない
混雑が不安で治療を後回しにする
事前にホームページや口コミを確認し、自分の症状に合った医療機関を選ぶことが大切です。
▶︎6. まとめ
突発性難聴は突然発症するうえに、治療のタイミングによって回復率が大きく変わる病気です。少しでも耳に異変を感じたら、すぐに耳鼻科を受診することが重要です。
この記事のポイントまとめ
発症から1週間以内の治療開始が回復の鍵
ステロイド、高気圧酸素療法、鍼治療の組み合わせが効果的
完治率は約3割、早期対応が予後を左右する
発症リスクを高める生活習慣を見直すことが予防につながる
自分に合った専門施設で早めの治療を受けることが大切
耳の違和感は放置せず、「おかしい」と思ったその日が行動のタイミングです。
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