補聴器を快適に使うなら技能士の調整が重要
- 渡邉貴
- 2025年5月23日
- 読了時間: 15分

▶︎1. 補聴器を快適に使うには技能士の調整が不可欠

1.1 補聴器の性能を最大限に引き出すために
補聴器は、ただ耳に装着すればいいというものではありません。 本来の性能を発揮させるためには、専門的な知識を持った技能士による調整が不可欠です。
補聴器には、高音域や低音域などの音をピンポイントで補正する機能がありますが、これだけでは「聴こえる」だけで「聞き取りやすい」状態とは限りません。 実際に補聴器をつけたけれども「雑音ばかりが大きく感じる」「言葉がはっきり聞き取れない」といった声も少なくありません。
こうした悩みの背景には、次のような要因があります。
難聴のタイプや進行度が人によって大きく異なる
使用する場面(静かな室内・騒がしい場所)で求められる音のバランスが違う
補聴器の種類ごとに設定方法が異なり、最適化に時間がかかる
つまり、個人の「聞こえ方」に合わせて微細な調整を繰り返すことがとても大切です。
たとえば、こんな失敗が多いです。
初回調整だけで完了だと思い、再調整に行かない
音が大きければ聞き取りやすくなると誤解してしまう
補聴器が合っていないのに「自分の耳が悪いから」と我慢してしまう
これらの問題を防ぐには、調整にしっかり付き合ってくれる技能士の存在が重要です。 技能士は、使用者の感じ方を丁寧にヒアリングし、その感覚に合わせて一つひとつ音のバランスを調整してくれます。 音の聞こえ具合は、天気や体調、気分にも左右されることがあるため、「一回で完璧」はあり得ません。
実際、快適に補聴器を使っている人ほど、購入後1〜3ヶ月の間に5回以上の調整を受けている傾向があります。 何度も通う手間はかかりますが、その分だけ生活の質が上がると感じる人が多いです。
朝の通勤電車の中でアナウンスが聞き取れるようになったり、レストランで隣の人の声がちゃんと届くようになったりと、聞こえの改善は日常のストレスを大きく減らしてくれます。
補聴器は「買ったら終わり」ではなく、「買ってからがスタート」。 その一歩を支えてくれるのが、技能士の存在なのです。
1.2 難聴のタイプに応じた個別の調整が必要
補聴器を使う上で、最も見落とされやすいのが「難聴のタイプによって聞こえ方がまったく違う」という点です。 一人ひとりの聴力に合わせて補聴器を調整しないと、快適に聞こえる状態にはなりません。
たとえば、高音だけが聞き取りにくい人もいれば、低音が弱くなっている人もいます。 また、左右の耳で聴こえの差がある場合も少なくありません。 このように、難聴の症状は人によって千差万別なのです。
補聴器は、こうした個々の聴力特性に対応するため、周波数ごとに音を調整できる機能を持っています。 しかし、その機能をきちんと使いこなすには、専門的な知識と技術が必要になります。
技能士が行う主な調整項目には、以下のようなものがあります。
聴力測定結果に基づいた周波数別の音量調整
補聴器装用者が「うるさすぎる」「聞こえづらい」と感じるポイントの調整
装着者の生活環境(騒音が多い場所、静かな部屋など)に応じたモード設定
こうした細かな対応を行うことで、「ただ音が大きくなるだけ」ではなく、「ことばが聞き取りやすくなる」状態に近づけることができます。
日常の中ではこんな場面がよくあります。
テレビの音は聞こえるのに、会話の内容がはっきりしない
声は届いているのに、言葉として認識しづらい
騒がしい場所だと聞き取りがほぼ不可能になる
これらは、音の高さや方向、背景音とのバランスに起因しており、個別の調整が必須です。
補聴器を購入してから「なんとなく合わない」「疲れる」と感じてしまう原因の多くが、こうした個別性に対する調整不足です。
技能士は、聴力データだけではわからない「実際の聞こえ方」を丁寧にヒアリングし、音の調整を繰り返していきます。 細かなフィードバックと継続的な調整こそが、快適な聞こえに直結します。
そしてなにより、何度でも嫌な顔ひとつせず対応してくれる技能士の存在が、使用者にとって安心できる大きな支えになります。
▶︎2. 調整の重要性と技能士の役割

2.1 音質と増幅の微調整で快適な聞こえを実現
補聴器を使い始めたとき、「音は聞こえるけど何を言っているのか分からない」と感じたことはありませんか? その原因の多くは“音の大きさ”だけに頼った調整にあります。
補聴器の役割は単に音を大きくすることではなく、「ことばを正しく聞き取れる状態」にすることです。 そのためには、「音の質」と「音の増幅バランス」の調整がとても重要になります。
技能士が行う音質の微調整には、以下のようなポイントがあります。
高音域・中音域・低音域それぞれの聞こえ方を確認しながら微調整
雑音と人の声の区別がつきやすいように音の処理設定をカスタマイズ
音が突然大きくなりすぎないように、出力制限や圧縮機能を活用
このように、聴こえを細かく調整することで、快適な聞き取りが実現できます。
たとえば、周囲がざわざわしているカフェでは、話し相手の声と雑音を区別しづらくなります。 そんな場面でも、音の抑揚や方向性を反映した補聴器設定ができていれば、相手の声だけが自然に浮かび上がって聞こえてきます。
一方で、こんな注意点もあります。
一度に調整しすぎると、逆に違和感が増す
音質の変化に耳が慣れるまでに時間がかかる
使用者が自分の聞こえの変化に気づきにくいことがある
そのため、技能士は一度の調整で完璧を目指すのではなく、少しずつ改善を重ねる形で対応します。
多くの方が、3〜5回ほどの微調整を経て、「ちょうどいい聞こえ方」にたどり着いています。 ここまで調整できるのは、継続して利用者に寄り添ってくれる技能士がいるからこそです。
補聴器は「ただ音を大きくする装置」ではありません。 正しい音質と適切な増幅バランスが揃って、はじめて本来の性能が発揮されます。
2.2 認定補聴器技能者の専門知識と対応力
補聴器は高性能な電子機器ですが、その機能を十分に引き出すためには、調整を担当する人の知識と経験が非常に重要です。 特に「認定補聴器技能者」の存在は、快適な聞こえの実現に大きく関わってきます。
認定補聴器技能者は、専門的な教育と実務経験を積んだ上で、厳しい試験をクリアした資格保有者です。 彼らは聴力測定、フィッティング(装用調整)、音質の最適化、生活環境への適応まで、多岐にわたる知識と技術を持っています。
技能士が提供する主な対応内容は次の通りです。
聴力検査の結果に基づいた補聴器の選定
生活スタイルや使用目的に合わせた最適な調整提案
使用者が気づきにくい聞こえの問題を見抜いて改善
定期的な調整・メンテナンスによる長期的なサポート
さらに、技能士の役割は“技術的な調整”にとどまりません。 使用者の「不安」や「疑問」に寄り添い、心地よく補聴器を使い続けられるようサポートすることも大切な仕事です。
たとえばこんな場面でも、その対応力が光ります。
初めての補聴器で不安を抱える方に対して、丁寧に使い方を説明
調整がうまくいかず落ち込んでいる方に、励ましと共に再調整を実施
高齢の方にわかりやすい言葉で操作や注意点を案内
このようなきめ細かい対応は、経験と対話力に優れた技能士だからこそ可能です。
「音は聞こえるけど違和感がある」と感じるとき、 「何度も調整に通うのは気が引ける」と思うとき、 そんなときでも、嫌な顔ひとつせず真摯に向き合ってくれる技能士の存在はとても心強いものです。
補聴器を快適に使いこなすためには、機械の性能だけでなく、調整を担う技能士の力が欠かせません。 まさに「人の手で完成する医療機器」と言えるのが補聴器なのです。
▶︎3. 補聴器の聞こえを快適にするために必要な視点

3.1 一人ひとり異なる聴こえ方と音の調整
補聴器を使う上で最も大切なのは、「聞こえ方には個人差がある」という前提を理解することです。 同じ機種の補聴器を使っても、人によって“快適に聞こえる音”は全く違います。
難聴には、高音だけが聞こえにくい場合や、低音に弱さがある場合、左右の耳で聞こえに差がある場合など、様々なタイプがあります。 しかもそれだけではなく、「音が聞こえていても言葉として理解しづらい」などの複雑な症状も加わることがあります。
こうした違いに対応するため、技能士は次のような手順で調整を行います。
聴力測定に基づいた「聞こえにくい周波数帯」の分析
使用者が実際に「どう聞こえているか」の主観的ヒアリング
使用環境や生活習慣をふまえたカスタマイズ設定
この調整を行う際、重要になるのが「感覚のズレを埋める作業」です。 たとえば、ある人にとっては“聞こえるようになった”と感じる音量でも、別の人には“うるさくて不快”と感じられることがあります。
音の感じ方には「慣れ」も関係しています。 長年難聴の状態が続いていた人ほど、突然の音の変化に驚いたり、違和感を覚えたりすることが多いです。 そのため、調整は一度で終わるものではなく、段階的に音を整えていく必要があります。
実際に補聴器を使いこなしている人たちは、購入後数週間から数ヶ月の間に複数回の調整を受けています。 その中で、自分に合った「ちょうどいい音」が見つかっていくのです。
たとえばこんなシーンを想像してみてください。
静かな室内では問題ないのに、駅のホームでは会話が聞き取れない
家族の声は聞きやすいが、職場の雑音の中では混乱してしまう
音楽は楽しめるが、電話の声がこもって聞こえる
これらはすべて「人によって音の処理能力や聞こえの感覚が違う」ことによるものです。
技能士はこうした状況に対し、「音の高さ」「方向」「背景音」といった細かな情報を調整に反映し、使う人が最も自然に聞こえるようサポートしてくれます。 個別対応こそが、補聴器の効果を最大限に引き出す鍵になります。
3.2 生活シーンごとに最適な補聴器設定とは
補聴器の調整は、聴力だけでなく「どんな場面で使うか」によっても変わります。 日常生活の中で補聴器を快適に使うには、生活シーンに合わせた設定がとても大切です。
たとえば、次のようなシーンを思い浮かべてみてください。
静かな自宅でのテレビ視聴
騒がしい駅構内での会話
会議室で複数人が話すビジネスシーン
外出先での風の音や環境音の影響
同じ補聴器を使っていても、これらの環境では必要な調整がまったく異なります。 静かな場所では細かな音を強調しすぎると疲れてしまい、騒がしい場所では周囲の音に紛れて会話が聞こえづらくなることがあります。
技能士は、こうした状況に応じて以下のような調整を行います。
ノイズキャンセル機能の強弱設定
指向性マイクで「どこからの音を拾うか」を調整
使用者の要望に応じた複数の環境モードの作成(室内/外出/会話用など)
補聴器には複数のプログラムを記憶できる機能がある機種が多く、ボタンひとつで使い分けができるようになっています。 たとえば、外では「雑音を抑えて人の声を拾うモード」、家では「自然な音に近いモード」に切り替えが可能です。
また、最近ではスマートフォンと連携し、自分で環境に応じた設定ができる補聴器も増えています。 しかし、設定項目は多く複雑なため、最初は技能士のサポートが欠かせません。
こんな問題もよくあります。
外の風の音が強すぎて会話が聞き取りづらい
車の中では道路音ばかりが大きく感じる
商業施設など反響音が多い空間で音がこもる
これらに対処するには、技能士による使用シーンを前提とした調整が必要です。
たとえば、仕事で電話をよく使う方には「電話専用モード」、外出の多い方には「屋外対応モード」を用意するなど、用途に応じて細かく使い分けができます。
補聴器の快適さは“どこでどう使うか”に応じた設定があってこそ成り立ちます。 技能士はその使用シーンを丁寧にヒアリングし、最適な聞こえをデザインしてくれる存在なのです。
3.3 技能士との継続的な連携がもたらす効果
補聴器の快適な聞こえは、一度の調整では完成しません。 継続的なサポートを受けることで、日常の聞こえがどんどん快適になります。
技能士と定期的にやりとりすることで得られる主なメリットは以下の通りです。
使用者の変化(環境・体調・聴力)に合わせて再調整できる
少しの違和感もその都度相談・修正が可能
長期間使用による聞こえの質の低下を予防できる
精神的な安心感が得られ、使用継続率も向上する
特に聞こえに不安を抱える人にとって、「いつでも相談できる存在」がいることは大きな支えになります。 技能士との信頼関係が、補聴器の快適な使用を支える大事な要素です。
▶︎4. 調整プロセスと技能士のサポート
4.1 初回調整から定期的なフォローアップまで
補聴器は「購入して終わり」ではありません。 実際に使いながら、何度も微調整を重ねることが大事です。
初回調整で行う内容は以下のとおりです。
聴力測定をもとにした初期設定
使用者の生活スタイルをヒアリング
違和感がないかを確認しながら試聴・修正
その後は1〜2週間ごとに再来店し、使用感や不満点を共有する「フォローアップ調整」を行います。
継続的な調整のポイントは、
実生活で感じた不便さを反映できる
聞こえの変化に対応しやすくなる
より自然で快適な聞こえに近づける
調整は平均して3〜5回以上が理想的です。 技能士がこまめに対応してくれることで、無理なく補聴器に慣れていけます。
4.2 使用環境に応じた最適な設定の提案
補聴器は使う場所や状況によって必要な設定が変わります。 技能士は使用者の生活環境に合わせた最適な提案をしてくれます。
主な使用環境と調整内容の例は以下の通りです。
自宅:小さな生活音も聞き取りやすいよう感度を調整
外出先:騒音を抑え、人の声を優先的に拾う設定に
職場:複数人の会話を聞き分けやすいマイク指向性を活用
電話使用:受話音声の明瞭度を高める専用モードを作成
このように、1人ひとりの生活に合わせた複数のモードを設定することで、 場面ごとにスムーズな聞き取りが可能になります。
聞こえの不満を環境別に把握し、適切に調整できるのが技能士の強みです。
4.3 長期的な聞こえの維持と改善への取り組み
補聴器は長く使うものだからこそ、聞こえの状態を継続的にチェックすることが大切です。 技能士は、単なる調整だけでなく、将来的な聞こえの維持・改善も見据えてサポートしてくれます。
長期的に必要な対応は以下のとおりです。
年齢や健康状態による聴力変化への再測定・再調整
補聴器の部品劣化・汚れによる性能低下の防止
聞こえのクセや生活の変化に応じた設定の見直し
モデルの更新や新技術の提案による改善サポート
こうした対応を定期的に行うことで、聞こえの質を維持し、ストレスのない生活を続けやすくなります。
▶︎5. 補聴器選びと技能士の重要性
5.1 認定補聴器技能者がいる店舗の選び方
補聴器を快適に使うためには、調整してくれる人の技術が何より重要です。 特に「認定補聴器技能者」が在籍している店舗を選ぶことが、満足度の高い補聴器生活の第一歩になります。
認定補聴器技能者とは、専門的な教育を受け、実務経験と国家レベルの試験をクリアした補聴器調整のプロです。 店舗選びの際は、以下のポイントを確認してみてください。
認定補聴器技能者の資格が明記されているか
初回だけでなく、継続的な調整体制が整っているか
聴力測定やカウンセリングの時間をしっかり取っているか
店舗の対応が親身で、無理な販売をしていないか
フォロー体制(点検・再調整・清掃など)の内容が明確か
また、補聴器は購入後の調整回数が多いため、通いやすい立地かどうかも意外と重要な判断基準になります。
技術力と寄り添いの姿勢、この両方を兼ね備えた技能士がいる店舗であれば、補聴器の効果を最大限に引き出す環境が整っているといえます。
5.2 技能士との信頼関係が快適な聞こえを支える
補聴器は“買って終わり”ではなく、“使いながら育てていく”道具です。 その過程で重要なのが、調整を担当する技能士との信頼関係です。
初回の調整では聞こえが合わないこともありますし、使っていく中で環境や体調に応じた違和感が出ることもあります。 そんな時、気軽に相談できる技能士がいるだけで、補聴器の使用継続に大きな差が生まれます。
信頼関係を築くうえで大切なポイントは以下の通りです。
小さな違和感にも丁寧に耳を傾けてくれること
使用者の気持ちに寄り添った調整提案をしてくれること
何度でも再調整を快く引き受けてくれること
難しい専門用語を使わず、わかりやすく説明してくれること
長期的に見て一緒に聞こえを育てていく姿勢があること
補聴器の聞こえは、技能士との二人三脚で完成していくもの。 技術だけでなく「信頼できる人柄」も、補聴器選びには欠かせない要素です。
▶︎6. まとめ
6.1 補聴器の効果を最大限にするために
補聴器は高性能な機器ですが、その効果を引き出すには「正しい調整」と「継続的なサポート」が必要不可欠です。 ただ着ければ聞こえるようになる、というものではありません。
聞こえ方は人それぞれ異なり、時間や場所、体調などによっても変わっていきます。 技能士の調整があってこそ、快適に聞こえる状態をつくることができます。
効果を最大限に引き出すためのポイントは以下の通りです。
自分の聴力に合った補聴器を選ぶこと
認定補聴器技能者による綿密な初期調整を受けること
使用中に違和感を覚えたら遠慮せず再調整を依頼すること
生活環境に応じて複数のモードを設定しておくこと
長期的に聞こえの変化に対応してもらうこと
これらを実践することで、補聴器の本来の性能をしっかり活かすことができます。
6.2 技能士との連携で快適な聞こえを実現
補聴器を快適に使い続けるには、調整を担当する技能士との“連携”が何より大事です。 補聴器の性能だけに頼るのではなく、「どう聞こえるか」「どう使いたいか」という利用者の声が反映されて、初めて“快適”が実現します。
技能士との良好な連携によって得られる効果は次の通りです。
小さな聞こえの変化にも迅速に対応してもらえる
使用環境の変化にも柔軟に対応可能
不安や不満をすぐ相談できるため、使用継続がスムーズ
技術だけでなく「共感」や「信頼」で安心感を得られる
聞こえの改善が生活の質(QOL)向上につながる
一人ではうまく使いこなせなかった補聴器も、技能士と連携することで大きく変わります。
「補聴器を選ぶ」のではなく「信頼できる技能士と出会う」ことが、聞こえを快適にする第一歩です。
▶︎補聴器の調整なら「みみニュース」にお任せください
補聴器の効果を最大限に引き出すには、音域ごとの丁寧な調整が欠かせません。
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